ストロークバンク

 コミュニケーションを考える時、多くの人はうまくいく方法に注目し、やり方を探しがち。しかし、やり方や方法を探すことは、相手や状況によっては、あまり効果的でないときがある。実は、やり方や方法にこだわるよりも、自分の在り方や関わり方に関心を向けると、結果的にコミュニケーションがうまくいきやすい。特に、ストロークバンクの法則を知ると、具体的で効果的な行動へと繋がる。

 

 ストロークとは、人の存在や価値を肯定したり否定する、言葉や行動による働きかけのことです。ストロークにはプラスとマイナスがあり、プラスのストロークは「褒める」「称える」「優しい」「握手する」「ハグする」「なでる」「傾聴する」「見つめる」「頷く」などがあり、マイナスのストロークには「嫌う」「憎む」「責める」「仲間外れ」「無視」「睨む」「殴る」「蹴る」「物をぶつける」などがある。 自分の心の中がプラスのストロークで満たされていると、周りの人にプラスのストロークを与えることができ、逆にマイナスで満たされていると、マイナスのストロークを与え易くなる。また、自分にプラスのストロークを与えてくれる人には、プラスのストロークを与えたくなるし、逆も然り。

 プラスがプラスを、マイナスがマイナスを生みだし、両方ともグルグルと回ってスパイラルで増大する・・・・・。これがストロークバンクの法則だ。

 

 愛情が不足している人は、人から愛情を手に入れようと、落ち込んで泣いたり、意地悪をしたり、被害者になって怒ったり、相手に認めさせるために論争を挑んだり・・・、かまってもらうための様々な行動をする。実はこれらは相手にとってはマイナスのストローク。マイナスのストロークを受けた相手は、最初のうちこそかまっていても、長続きはしません。お返しにかまって欲しい人に対してマイナスのストロークを返すようになります。するとかまって欲しい人は、もっと寂しくなり、以前にも増して、マイナスのストロークを投げてしまう。

 それに対して周りの人はさらに強烈なマイナスのストロークを返す・・・・・まさにマイナスのスパイラル。 かまって欲しい人は、愛して欲しい、認めてほしい、という気持ちを持っているにも関わらず、逆に人間関係は悪化し、マイナスのストロークで心の中が一杯になってしまう。 逆にプラスのストロークを他人に与える人は、人からもプラスをもらえる。そしてスパイラル状に、信頼や愛情で心が満たされていく。

 

 つまり、自分から与えるストロークがプラスかマイナスかによって、人間関係が大きく変わるのだ。

 

特に、あなたの大切な人にプラスのストロークを与え始めよう!! 

 

「これ、おいしいよ」「その笑顔、すばらしいね」「気づいてくれて、ありがとう」

「約束を守ってくれて、うれしいよ」「あなたのおかげです、ありがとう」

「聞いてくれて、ありがとう」「一緒に居てくれて、ありがとう」

 

大切な人が、何となく嬉しそうな顔をしたら・・・・・、

大切な人と、あなたのストロークバンクにプラスのストロークが増えていく。

与えたものが、与えられるもの。与えられる為に、与えるのではなく、ただ与えてみよう。

 

あなたの大切な人の笑顔は、あなたを幸せにしてくれる。

 

そして、なによりも、深くて肯定的なコミュニケーションへの近道だ。

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